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労務管理のあれこれ10

健康診断について

会社は、常時使用する全ての従業員に対して、雇入時毎年1回医師による定期健康診断

を実施しなければなりません。

 

常時使用するとは、

・期間の定めなく使用される者 (正社員)

・期間の定めがあるが、契約更新により1年以上使用されることが見込まれる者

・および契約更新により、すでに1年以上使用されている者

 

パート・アルバイトであっても、常時使用するに該当し、1週間の所定労働時間

正社員の3/4以上の場合は、受診させなければなりません。

なお、行政通達では1/2以上であれば、健康診断を受けさせることが望ましいとしています。

◎健康診断の費用

会社・従業員いずれが負担するかの法令上の定めはありませんが、健康診断を行うことは

法律上の会社の義務なので、会社が負担すべきです。
従業員が会社の指定した医師による健康診断を受けることを希望しないで、他の医師による

診断結果を提出することを希望することも問題ありません。

この場合の費用負担は、本人負担でもよいでしょう。

◎健康診断の受診義務

従業員には、健康診断受診義務がありますので、これを拒否すること(他の医師による診断

も拒否)は、業務命令違反として、懲戒処分の対象となります。

◎健康診断の結果

会社は、健康診断の結果を本人に通知した上で、健康診断の受診結果について、

健康診断個人票を作成し、5年間保存しなければなりません。

また、従業員が50人以上の場合は、労働基準監督署に健康診断結果を提出しなければ

なりません。
会社は、健康診断の結果、異常所見があると診断された従業員の健康を保持するための

必要な措置について、医師の意見を聴かなければなりません。

そして、意見を聴いた上で必要がある場合は、就業場所の変更、職務の転換、労働時間の

短縮等の適切な措置を講じなければなりません。

 

これを怠り、従業員が死亡する等の結果が生じた場合は、会社は安全配慮義務違反

問われ、多額の損害賠償が発生する可能性があります。

健康診断自体を実施していない場合も、同様です。(さらに責任は重いです。)

自転車通勤の注意点

自転車通勤は、車通勤同様、事故などのリスクを伴いますが、

従業員の心身の健康への貢献や環境への優しさなどのメリットもあります。

会社として自転車通勤を認める場合、以下の点について検討・注意が必要になります。

通勤手当

そもそも通勤手当の支給は、法律で義務付けられてはいません。

よって、自転車通勤には通勤手当を支給しないことも可能ですが、雨の日や体調の悪い日

などは、公共交通機関を利用することもあります。

 

・公共交通機関を利用した場合は、実費を支給

・一定額を毎月支給

 

などの支給方法が考えられます。

ただし、後者の場合、割増賃金算定の基礎から除外される通勤費に該当しないため、

距離に応じて支給する額を変える方法が良いかと思います。

 

労災保険

自転車通勤にも労災保険は、当然適用されます。

会社帰りにスーパーやコンビニに寄り買い物をすることは、日常生活上必要な行為である

ため、買い物中を除いては、買い物を終え自宅へ向かう間も通勤とされます。

ただし、通勤経路とは関係ない場所への寄り道や、通勤経路途中でも長時間の寄り道は、

労災保険上の通勤とは認められないので注意が必要です。

会社として、通勤経路を外れた場合のリスクを自転車通勤者に説明しておくことが重要に

なります。

 

自転車事故

自転車通勤は、車での通勤と同様の責任とリスクを伴います。

従業員が、自転車通勤中に事故を起こし加害者となってしまったからといって、直ちに会社

が被害者に対して、損害賠償責任を負うわけではありません。

ただし、会社の何らかの落ち度を理由に、損害賠償責任使用者責任を問われる可能

性がないとは言えません。

 

自転車通勤を希望する者には、個人賠償責任保険加入を義務付けることも検討すべき

です。加入を義務付けた場合は、保険証書の写しの提出を求めましょう。

就業規則等に自転車通勤中に起こした事故については、「会社は責任を一切負わない。」と

記載しておくと事故防止の抑止効果があります。

 

自転車を業務で使用し事故を起こすと、会社は使用者責任として損害賠償責任を負い

ます。業務での使用は禁止したほうが良いです。

 

交通法規の遵守

自転車による事故が増加しています。会社として安全運転を指導しましょう。

大きな事故を起こしますと、会社の社会的信用を落とすことになりかねません。

 

駐輪場の確保

会社周辺での違法駐輪は、会社のイメージを損なう行為です。

会社で駐輪場を用意するか、個人で確保してから自転車通勤を認めましょう。

傷病手当金について

傷病手当金とは、

健康保険の被保険者が、業務外の事由による病気やケガにより働くことができないため

会社から給与が支給されない時の生活保障として、健康保険から受けることができる補償です。

 

傷病手当金をもらうには、次の4つの条件すべてに該当する必要があります。

・病気やケガの療養のために休んでいること

労務不能の状態であること

4日以上休んだこと

・給与の支給を受けていないこと
※たとえ軽い業務でも実際に仕事をしてしまうと、労務不能とは認められません。

■もらえる額

休んだ1日につき、標準報酬日額(標準報酬月額の30分の1)の3分の2

 

・仕事を休んだ4日目からもらうことができます。休んだ最初の3日間待機期間といい、

3日間連続で休んでいる必要があります。3日間には、土日などの休日を含みます。
・待機期間中は、有給休暇扱いで給与の支給を受けていても構いません。

4日目以降は有給休暇を取得した日については、傷病手当金は支給されません

・待機期間の起算日は、就業時間中に労務不能になった場合はその日から、

就業時間後の場合は翌日からになります。

■もらえる期間

もらい始めた日から1年6ヶ月です。この期間は暦の期間です。

 

・一旦出勤したが、再度同じ病気やケガで休むことになった場合は、新たに待機期間は

必要ありませんが、再発した時点から1年6ヶ月ではなく、最初の支給から1年6ヶ月

となります。

 

■その他

・申請書の被保険者が記入する「療養のため休んだ期間」、事業主が証明する箇所の「労務

に服さなかった日」、医師が記入する箇所の「労務不能と認めた期間」、この3ヶ所の日数揃っている必要があります。
・欠勤、休職が長期になる場合は、本人の生活を考え、毎月の給与の締め日で区切って

申請することをお勧めします。

 

・傷病手当金をもらっている間も社会保険料は発生します。その期間の本人負担分

取り扱いを決めておく必要があります。

 

・退職日の前日までに、被保険者期間が1年以上あり、退職前にすでに傷病手当金の支給

を受けている場合は、退職後も継続して傷病手当金をもらうことができます。