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労務管理のあれこれ15

フレックスタイム制

フレックスタイム制とは、1ヵ月以内の一定期間の総労働時間を定めておき、労働者が

その範囲内で各日の始業及び終業時刻自由に選択し労働する制度です。

 

フレックスタイム制を採用する場合、就業規則等で始業及び終業時刻を労働者の決定に

委ねる旨を定める必要があります。

そして、さらに労使協定を締結します。(労使協定は、届出する必要はありません。)

【労使協定に定める事項】

・対象となる労働者の範囲

・清算期間

・清算期間における総労働時間

・標準となる1日の労働時間

コアタイムを定める場合は、その時間帯の開始及び終了の時刻

フレキシブルタイムを定める場合は、その時間帯の開始及び終了の時刻

 

清算期間における総労働時間とは、労働契約上労働者が清算期間内において労働すべき

時間として定める時間で、いわゆる清算期間における所定労働時間のことです。

この時間は、清算期間を平均し1週間の労働時間が法定労働時間の範囲内になるように

定めなければなりません。

 

清算期間  法定労働時間の総枠

31日     177.1時間

30日     171.4時間

28日     160.0時間

 

標準となる1日の労働時間とは、有給休暇を取得した際に支払われる賃金の算定基礎となる

労働時間の長さです。例えば、1日8時間と定めます。
コアタイムとは、労働者が必ず労働しなければならない時間帯のことですが、

必ず定めなければならないものではありません。

 

フレキシブルタイムとは、労働者がその選択により労働することができる時間帯のことで、

コアタイム同様必ず定めなければならないものではありません。

 

※フレックスタイム制では、出社時間を指定することはできませんので、例えば毎週月曜の

朝一で会議を行いたい時は、月曜のみコアタイムを9時~14時までとする労使協定を

締結します。 その他の曜日については10時~15時など、曜日ごとに異なるコアタイムを

設けることは可能です。

時間外労働の計算

フレックスタイム制で時間外労働となるのは、清算期間における法定労働時間の総枠を

超えた時間です。すなわち、時間外労働であるかどうかは1日単位では判断せず、清算

期間を単位としてのみ判断します。

 

清算期間の労働時間に不足があった場合に、その月は通常の所定賃金を支払い、借り時間

として翌月に清算する協定を締結することが認められています。

 

例えば、清算期間の所定労働時間が160時間の月に155時間の労働時間だった場合は、

翌月の所定労働時間は不足した5時間を加えた時間(例えば165時間)とします。

もちろんこのようなことは行わずに、不足があった場合は、欠勤控除として処理することでも

構いません。
これに対して、清算期間における労働時間に過剰があった場合に、その分を翌月の労働時間

に充当することは認められていません。

過剰分は時間外労働手当として、その月に必ず支払う必要があります。

 

フレックスタイム制であっても、深夜労働手当及び休日労働手当の支払いは必要です。

残業代の定額払い

残業代の定額払いとは、毎月一定の固定金額を定額残業代として支給する方法です。

実際に行われた時間外労働に対し、定額残業代が法律で定められた計算方法による

割増賃金額を上回っている限りは、全く問題ありません。

 

ただし、実際に行われた時間外労働が、定額残業代を上回った場合は、その差額を

追加支給しなければ、労働基準法違反になります。

 

例えば、定額残業手当・・・月額3万円  残業20時間分相当 の場合に

実際の残業時間が25時間になったときは、5時間分の残業代を追加で支給する必要が

あります。

 

【定額残業代の注意点】

1.定額残業代の金額が何時間分の残業代なのか、就業規則等で明確になっていることが

必要。 (※従業員がその事を認識していることが必要。)

2.上記の追加支給をしていない場合は、定額残業代が認められない可能性がある。

 

似たような方法として、基本給の中に残業代含んで支給する方法があります。

この方法も、例えば基本給23万円のうち3万円が残業代分で、時間にして20時間分であると

残業代分が明確になっていれば、問題はありません。

 

基本給のうち、何円が残業代分で、それは何時間の残業分なのかが就業規則等で明確に

なっていない場合は、労働基準法違反になります。

 

この方法の場合も、実際の時間外労働が基本給に含まれている残業時間を超えた場合は、

超えた時間分の残業代を追加で支給する必要があります。

 

●就業規則(給与規程)の記載例

× 営業手当には、時間外手当分が含まれている。

○ 営業手当は、時間外労働30時間分として支給する。

× 基本給には、時間外手当が含まれている。

○ 基本給のうち20%は、時間外労働30時間として支給する。

特別休暇制度

特別休暇制度とは、法律で労働者に与えることが義務付けられた有給休暇とは別に

会社の福利厚生の1つとして、会社が特別に定めた休暇制度です。

現在、およそ半数の企業が何らかの特別休暇を設けています。

 

◎特別休暇の目的

・従業員の健康の保持と増進

・仕事と生活の調和(ワークライフバランス)

・従業員のモチベーション向上

 

つまり、仕事だけでなく従業員個々が大切にしているもの(家族や趣味等)にも時間の取れる、

心にゆとりを持てる休暇制度と言うことができます。

◎特別休暇制度を導入した場合のメリット

・福利厚生の充実による会社のイメージアップ、優秀な人材の確保、従業員の定着率の向上

・従業員の健康保持増進を行うことにより、会社の活力そのものが向上 

などが考えられます。

 

【主な特別休暇の種類】

 

リフレッシュ休暇・・・心身の疲労回復のために取得する。

            勤続5年、10年といった節目の時期に数日間取得する。

 

バースデー休暇・・・本人(もしくは家族)の誕生日に取得する。

 

記念日休暇・・・本人が選択した記念日(結婚記念日、子供の誕生日等)に取得する。

 

結婚休暇・・・本人の結婚式や新婚旅行の際に取得する。

 

出産休暇・・・配偶者の出産時に取得する。

 

学校行事休暇・・・子供の学校行事の際に取得する。

 

ボランティア休暇・・・ボランティア活動を行う際に取得する。

 

単身赴任者休暇・・・単身赴任で家族と離れている者が帰省する際に取得する。

 

特別休暇を導入する際の注意点は、従業員のニーズ会社の文化に合った休暇制度を

導入することです。 「よその会社がやっているから」、「休すみが増えれば従業員が喜ぶ

と思ったから」など、明確な目的を定めずに導入してしまうと導入効果が期待できません。

 

導入する場合は、制度のルール作りが必要になります。特別休暇は、設けるかどうかも

会社の自由ですので、ルールも自由に定めることが可能です。

 

職場の雰囲気、上司や同僚の理解経営者のお勧め、が制度定着には重要です。