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労務管理のあれこれ14

1年単位の変形労働時間制

1年単位の変形労働時間制とは、1ヶ月を超え1年以内の一定期間を平均し、1週間の

所定労働時間が週40時間以下の範囲内において、特定の日又は週に法定労働時間を

超えて労働させることができる制度です。

 

1年単位の変形労働時間制を導入するには、労使協定を締結し、労働基準監督署へ届出

する必要があります。

 

労使協定には、次の5項目について定める必要があります。

①対象労働者の範囲

②対象期間および起算日

③特定期間

④対象期間における労働日および労働日ごとの労働時間

⑤労使協定の有効期間

 

・対象期間は、1年以内であれば、3ヵ月、4ヶ月、半年なども可能です。

特定期間とは、対象期間中の特に業務が繁忙な期間をいいます。

特定期間は、必ず定めなければならないものではありません。定めない場合は、

「特定期間は定めない」と労使協定に記載します。

 

・法定労働時間の総枠

対象期間    総枠の上限

1年   →  2,085.7時間

6ヵ月  →  1,045.7時間

3ヵ月  →    525.7時間

 

この上限の範囲内で、対象期間中の総労働時間を決めます。

 

対象期間が長い変形労働時間制を導入する場合、対象期間全部の労働日および労働日

ごとの労働時間を労使協定締結の際に特定することは、実務上困難なケースが多いと思い

ます。(シフトを組んで勤務させる場合等)

 

そのような場合は、労使協定には最初の月についてのみ労働日および労働日ごとの労働

時間を特定し、それ以降の期間については、1ヵ月の所定労働日数と総所定労働時間を

定めておけばOKです。

 

そして、それ以降の期間については、それぞれの期間が始まる30日前までに、労使協定に

定めた所定労働日数と総所定労働時間の範囲内で、具体的に労働日および労働日ごとの

労働時間を特定すればOKです。 (1ヵ月前ではなく、30日前なので注意してください。)

 

 

1年単位の変形労働時間制特有のルール

・1日の所定労働時間の上限・・・10時間

・1週の所定労働時間の上限・・・52時間

・連続労働日数・・・6日(特定期間は12日)

・年間の労働日数の上限・・・280日

・週所定労働時間が48時間を超える週が4週連続とならないこと

・       〃           3ヵ月以内に4回以上ないこと

・三六協定に係る時間外労働の上限が短い

通常、1ヵ月の時間外労働の上限は45時間ですが、1年単位の変形労働時間制の場合は

42時間です。

 

完全週休2日制以外の場合は、1日の所定労働時間が一定(例えば8時間)であっても、

変形労働時間制を採用していないと、例えば土曜日の出勤については割増賃金の支払が

必要になりますので注意してください。 (隔週休2日の場合等)

1週間単位の非定形的変形労働時間制

1週間単位の非定形的変形労働時間制は、日ごとの業務に著しい繁閑の差があり、

その繁閑が直前まで特定できない場合であっても、労働時間を効率的に配分し、

結果として労働時間を短縮するための制度です。

 

1週間単位の非定形的変形労働時間制を採用することが出来る業種は、

小売業

旅館

飲食店

料理店

のみで、なおかつ労働者数30人未満と決められています。

 

採用する場合には、労使協定を締結し労働基準監督署に届け出る必要があります。

 

1週間単位の非定形的変形労働時間制では、1日については10時間まで労働させる

ことができますが、週については40時間を超えて労働させることはできません。

ただし、時間外労働として40時間を超えて労働させることは可能です。

 

1週間単位の非定形的変形労働時間制で時間外労働となるのは、次のどちらかに該当

する時間です。

 

・所定労働時間が8時間を超える時間とされている日については、その所定労働時間を

超えた時間、それ以外の日については8時間を超えた時間

 

・1週間について40時間を超えた時間

 

1週間の各日の労働時間は、遅くとも1週間の開始する前日までに書面で通知しなければ

なりません。また、緊急でやむを得ない事情により、一旦通知した労働時間を変更する場合

には、前日までに書面により通知しなければなりません。