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労務管理のあれこれ8

賃金支払の5原則

賃金支払の5原則(労働基準法第24条)

 

通貨払いの原則

賃金は通貨で支払わなければならない。

例外 ・法令または労働協約に別段の定めがある場合

   ・退職金を労働者の同意を得て、小切手で支払う場合

 

直接払いの原則

賃金は直接労働者に支払わなければならない。

・本人以外の者に支払うことは禁止

・代理人や委任を受けた者に支払うことも違法

例外 労働者の同意を得て、指定された銀行等の預貯金口座へ振り込む場合

 

全額払いの原則

賃金はその全額を支払わなければならない。

例外 ・法令に別段の定めがある場合 所得税、住民税、社会保険料など

   ・労使協定がある場合 社宅費、社内預金、親睦会費など

 

◎払い過ぎた賃金の清算のために、翌月の賃金から労働者の同意を取らずに行う

調整的相殺は違法ではありません。ただし、予め金額が予告され多額でないこと。

 

◎労働者との同意による相殺は、その同意が労働者の自由な意思に基づくものである

と認められる場合はOKです。

 

毎月払いの原則 

毎月少なくとも1回は賃金を支払わなければならない。

 

一定期日払いの原則

賃金は一定の期日を定めて支払わなければならない。

・支給日が休日にあたる場合は、繰り上げ・繰り下げどちらでもOKです。

ただし、支給日が月末の場合は繰り下げると支払日が翌月となってしまうため

労働基準法違反となってしまいます。

 

④⑤の例外 ・臨時に支払われる賃金

・支給額があらかじめ確定していない賞与

・1ヵ月を超える期間の出勤成績による精勤手当など

労働基準法上の賃金

労働基準法では賃金は、「賃金、給料、手当、賞与等その名称の如何を問わず、

労働の対償として支払うすべてのもの」と定められています。

 

労働の対償かどうかの判断基準

任意的、恩恵的なものは賃金ではない。

・任意にあたえる慶弔見舞金は賃金ではない

・就業規則等で支給条件が明確にされた慶弔見舞金は賃金

・           〃            退職金は賃金

 

福利厚生施設は賃金ではない。

・住宅の貸与は原則として賃金ではない

・労働者から代金を徴収するものは賃金ではない

ただし、徴収額が実際の費用の3分の1以下であるときは、徴収額と実際の費用の

3分の1との差額は賃金

・通勤手当、定期券は賃金

・前払い退職金は賃金

企業設備の一環であるものは賃金ではない。

実費弁償として支払われる旅費は賃金ではない

・工員の作業着等は賃金ではない

 

※賃金に含まれないものは、割増賃金の単価計算、労働保険の申告賃金、解雇予告手当等

の計算に含める必要はありません。

産前産後休暇・育児休業と社会保険

①産前産後休業期間中

・社会保険から出産手当金がもらえます。

金額は、休業1日あたり、標準報酬月額÷30×2/3

(給料が支給される場合は調整あり。)

 

・社会保険料の負担なし

  平成26年4月1日から産前産後休暇中の社会保険料も免除になりました。

産前休暇・・・出産予定日の42日前から出産日まで

産後休暇・・・出産日の翌日から56日後まで

 

出産育児一時金がもらえる。

42万円(産科医療補償制度のある医療機関で出産した場合、ない場合は39万円

②育児休業期間中

・雇用保険から育児休業給付金がもらえます。

金額は、休業1日あたり、直近6ヵ月の賃金合計÷180×67%(50%)

(給料が支給される場合は調整あり。)

 

法改正により、平成26年4月1日以降に開始される育児休業から50%ではなく

67%に引き上げられました。(ただし、休業開始から180日目までの期間のみ)

 

・社会保険料は、育児休業等取得者申出書を年金事務所に提出することで、本人・会社

 負担ともに免除になります。育児休業を開始した日の属する月から、育児休業が終了

する日の翌日が属する月の前月までの期間が対象です。
・保険料は免除になるが将来年金をもらう時には、その期間は保険料の納付があったもの

して年金額が計算されます。

③育児休業終了、職場復帰時

・職場復帰後、短時間勤務等により給料が下がる場合は、育児休業等終了時報酬

月額変更届を提出することで、月額変更届のように標準報酬月額が下がります。

 

退職時の証明書

◎従業員が退職する時に、使用期間・担当した業務の種類・会社における地位・賃金

 および退職事由について証明書を請求した場合は、会社は遅滞なく交付しなければ

ならない。

 

◎証明書の記入事項は、従業員が請求した事項のみを記入する。

請求しない事項を記入してはならない。

 

労働基準法第22条に、上記のように定められています。

 

退職する時とは、自己都合退職だけでなく、解雇、退職勧奨、契約期間満了等あらゆる

ケースが該当します。

 

解雇の場合は、解雇理由を具体的に記入する必要があります。

就業規則の一定の事由に該当することを理由として解雇する場合は、当該条項の内容と

事実関係を記入しなければなりません。

退職事由について従業員との間に見解の相違がある場合は、会社は自らの見解を記入

すればOKです。ただし、虚偽を記載してはいけません。

 

また、解雇された事実のみについての証明書を請求された場合は、解雇理由については

記入してはいけません。